帝王
彼はやっぱりキザだ!
冗談半分?
確か?夕べ聞いたような?
「スキだ!!」の一言
午後4時、オフィスに届いた
真っ赤なバラの花
「おまえのためならなんでもしてやるよ」
彼がハッキリきっぱりそういった
あまりにも軽薄だから、またふきだした
海岸ぞいの夜景はキラキラして
彼にとても、似合っている
キラキラとテーブルの
スパークリングワインが
かさなって、やがてゆっくり
もどってきた
「何?考えてたの?」
「うん、夜景のこと、かな」
あれから3年、時はゆったりと流れていく
ポストに1通の招待状
彼が主催するツアー
「スペイン、情熱の旅」
やっぱり、彼はキザな奴だ
そう思ってまた、微笑んだ